この世界の片隅に

映画について話すなんて今まで一度もやったことはないんで,「この世界の片隅に」なんて映画タイトルままのエントリ投稿しても大丈夫か?という思いはありますが,それはそれで置いといて気持ちがあるのでここに書いておきます.
細かい部分の捕捉については他の人が書いてくれているので僕はエバンジェリストに徹しましょう.
ネタバレはなしです.短めに.

この世界の片隅に」を知ったのはTwitterで,kickstarterでクラウドをファウンドっている時に一部界隈で騒がれてて,それが最初でした.んで公開されたらまた界隈が大盛り上がりで「これは最高ではないか」などの絶賛があったもので,それで見に行くことになった運びです.
電通が仕掛けるよりそういう「界隈」の人が大騒ぎする方がずっと意欲が湧く.それはどうでもいい話です.いつかみなさんも電通の庇護から離れ,自分たちで何かを探していく時が来ます.情報はどこから来るのか?誰にもわかりません.それはみんなの心のなかに…

映画

これは写真です.写真というのは一般にRGBそれぞれの要素が256段階で…あとピクセルの集合…むにゃむにゃ…です.
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上映終了後,「これは,一体…」という理解プロセスが始まりました.「なんかよくわかんないんだけど,この映画はすごくいいぞ,でも何がすごいのか全くわかんねえ」という状態です.人はこれを無理解と呼びます.呼ぶのかどうかは不明です.
粗暴なたとえですが,感触としては宮崎駿監督の「風立ちぬ」が近いかもしれません.そしてこれは粗暴な中でもかなり粗雑なたとえですが,PCゲーマーにとっては「グランド・セフト・オート5」が近いでしょう.要するにこの映画は他人の人生を追体験する映画です.主人公,すずの人生を2時間10分で体験する映画です.
そしてこの映画はたった一言で集約できます.「すずが必死に生きている映画」です.これは個人の感想であり,フィクションです.実在の人物,団体,作品とは一切関係ありません.

日常のさなか,家族と一緒に過ごせば自然と笑いが出て来ることがあるでしょう.私は先日,3回連続で飯炊きを失敗して大爆笑されました.飯炊き失敗はかなりおいしくない.
しかし,私なんかはまだ良い方です.
すずの暮らしていた時代はそもそも食料が少なく,配給で,少ない量が一定数配られるだけでした.
飯炊きの最中であっても否応なしに空襲警報はやってきます.すると火は消さねばなりません.そして防空壕に行き,事が過ぎるのを待つのです.途中で火を止めた飯がどのような状態になるかは想像に難くありません.
そのような飯をくいながら,すずは笑っておっとり暮らします.家族とともに.そんな,人が大戦のなか,家族と暮らす,ものを食べる,生きるために,他もろもろ.ここは言語化できませんでした.見ればわかることです.

ところでこれは映画館で是非見て欲しい映画です.こんなほっこりした映画なら別に家でiTunes Storeからストリーミングで見たっていいじゃないか,それはおすすめできません.映画館で見ましょう.
この映画の軍事的要素の本気度は高いです.それは作画だけではなくて,描写とか,音とか. 爆音鳴りそうにない映画でしょう?でも空襲で落とされる爆弾,機銃の音,対空砲すべてが「人を殺す,ものを破壊する兵器の音」そのものとしか思えないぐらいの破壊力があります.これは相当な設備がないと家で体験できない.
映画は変わりますが「マッドマックス 怒りのデスロード」や「ガールズアンドパンツァー 劇場版」を立川シネマシティで見たことがありますか?見たことあるならこう言えばわかるでしょう,この映画は突然立川マッドマックス,ガルパン化します.
日常を過ごしている時,その時間に,唐突に,突然,無理矢理捩じ込まれる戦争の描写,穏やかな日常と殺意的な戦争の緩急は映画館じゃないと体験できません.映画館に行きましょう.
ちなみに私はテアトル新宿で見ましたが,音は十分でした.立川が遠い〜〜という方はテアトル新宿でもよろしいでしょう.
それから,焼夷弾にも注目してみましょう.焼夷弾は一度屋根を突き破って床に叩きつけられると,炸薬が破裂して猛烈にジャンプします.そこから油を撒き散らすんですが,(曖昧)そのような描写がなされています.
前述の「本気度が高い」というのはそういう意味です.ほか,聞いた話でしかありませんが実際に呉で過ごしていた人から「言葉も,風景も,実際当時の呉そのもの」なり,映画の緻密さが言葉つてでも伝わってきます.

かなり偏った話になりましたが,詳細な話はまた別の人が私よりも綺麗に書いています.脳内玲奈がめちゃくちゃ合ってるだとか,作画綺麗だとか,このシーンはこうなのだとか…なので私が書く意味…ではなくて,書かざるをえないぐらい心を揺さぶった映画です.見ましょう.
大雑把にこの映画のレビューします.100点満点中6⇈10点.巨大数ご存知ですか?満点なんて意味ないんですよ.意味とは?
結局このエントリもこの5文字で収まります.「見ましょう」,DVDやBD,iTunes Storeでいつでも見られる時が必ず来ます.しかし映画館で見ることができるのは今だけです.たった1800円で2時間ぽっちで体験なら,これ以上のことはありません.

最後に,これは若干ポエムチックなこの映画の僕の感想なんですが,私はすずが本当に生きている人間のように感じられました.そんでしばらくして,すずがおばあさんになっている図が容易に浮かぶところがこの映画のすごいところなのかなぁ,と思ってます.これは個人の感想です.実際の物語,設定,人物,団体などとは一切関係ありません.

しかし今年は「君の名は」に「シン・ゴジラ」,「聲の形」(字幕おばさん(?)俺は死ぬまで覚えてるぞ)と邦画大当たりだなあ,すごいなあって思ってます.今年ももう瀬ですから「この世界の片隅に」が最後を飾るんじゃないんでしょうか.日本アカデミーも,オスカーもカンヌも抜きにして,この映画は本当に100年続くんじゃないんでしょうか.
来年は攻殻機動隊S.A.Cの神山健治監督「ねむり姫」があるので,まだ終わってはいない…

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