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自殺と宗教

この記事は自殺アドベントカレンダー13日目の記事です

僕は以前、とある宗教に入っていた。
新興宗教である。極端に言えば創○みたいなものだ。
正常な人間から見れば割りと狂ってる感じがする場所だ。そこがどういう場所で、どういうことをしているのかはさっくり省く。

僕はその宗教に入る入らないという選択肢を与えられなかった。生まれた頃には既に入信していたので、当然だ。しかし僕はその宗教を別に信じていたわけでもなかった。

破綻は中学生の頃だった。毎日その宗教の神が起こした奇跡だとか、勧誘しても入信シなかった人が不幸になっただとかそんな話をいつも祖母がしていて、僕はその話にうんざりしていたし、かなり違和感を感じていた。そしていろいろ調べているうちに、この宗教が偽物だと僕は確信し、脱退を決意した。
定期的に同じ年齢同士で集まるというイベントがあった。そこで仲の良かった友達がひとり。僕と同じ年齢で、僕と同じ趣味で、同じゲーム機を持って、同じゲームソフトを持って、お互いよく理解しあってたと思う。
そのイベントで僕はその友達に脱退の話をした。ここはこんな所が変だとか、危ないだとか。そんな話の末、一緒に親を説得しよう、と僕は言い、友達は頷いた。
でも、脱退したあとどうするとかはお互い話さなかった。

そして僕は脱退した。親も僕の話をよく聞いてくれて、僕と同じく脱退してくれた。ただ、祖母だけはどうしようもなかった。お前には悪魔が憑いているのだ、悪魔がお前を誑かしたのだとかそんな話をされて、これは無理だなと諦めた。僕は再入信したとの嘘をついて、祖母との関係を保つことにした。

友達とはもう連絡をとることもなかった。お互いゲーム機は持ってても、携帯電話は持っていなかった。当時またiPhoneが出たばかりだったはずで、まだ子供が携帯を持っているのが珍しい部類だったのだ。そしてお互いどこに住んでいるのかとかそんな話もしたことがなかった。
友達も僕と同じように親を説得して脱退して自由になれたのだろうなと思っていた。

でも、ある日、祖母からこんな話を聞いた。
僕と同じ年齢の中学生が突然気が狂って自殺したとの話だった。
最初は友達のことだとはまったく考えなかった。
突っ込んで話を聞いた所、悪いものが取り付いたその僕と同年代の中学生は、脱退しようと親に話して、親は悪いものを取り除くために宗教の施設へ連れて行き、その中学生は親と一緒に帰宅した後飛び降りて死んだ。

僕は、友達だと確信した。

思えば仲が良かった割に僕は友達のことを知らなかった。僕の親はよく話を聞く人だし、物分かりもいい方だったので説得という選択肢があったが、友達の親はどうなのか僕にはわからなかった。子供の戯言を一々聞くような親ではなかったのだろうか。


あれから数年経つし、僕も割りと忘れている部分がある。というか自殺アドベントカレンダーを考えるまで全部忘れていた。
なんで自殺アドベントカレンダーなんてものを考えてしまったのだろうと後悔している。
でももうやってしまったことだし、折角なのでここで語ることにする。

宗教なんて嵌るもんじゃないというお話。

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